2020.12.23

#今年買ってよかったものと#買わなくてもよかったもの

 年の瀬になるとブログやSNSで「今年買ってよかったもの」をよく見かけます。魅力的なガジェットや、生活を充実させるアイテムが写真やイラストに彩られながら並んでいて、リアルな利用体験を綴った巧みな文章を読んではついつい購買意欲をそそられます。自分も書いてみようかな、なんて思いながら部屋をぐるり見渡すと、所狭しと並んだモノの数々が目に飛び込んできて、はっと気づくのです。いつの間にこんなにモノを買ったのだろう。

 今日はそんなQuestionを考えるべく、買って後悔したもの、買う必要がなかったものを振り返ってみたいと思い、リブセンス社員にヒアリングした「今年買わなくてもよかったもの」をお届けします。誤解してほしくないのは、決してこれらの商品が「品質の低いもの」や「買うべきでないもの」ではないということです。あくまでそれぞれの人にとって、タイミングや用途が合わなかっただけ。無駄な買い物とは往々にしてそういうものなのだと思います。

 それでは、見ていきましょう。

リブセンス社員の買わなくてもよかったもの二〇二〇

英会話アプリへの課金
無料版だと続かなかったので、お金払ったら続くかなと思ったけど、結局ぜんぜん続かなくて、けど解約すると自分に負けた感じがして、いまだに解約できていないです…(中垣村長)

退路を断ったつもりで断ててないやつですね。解約すると負けた感じがするというけれど、既に負けていることに気づいてほしいですね。

炊飯器
オフィスでお米炊ける炊飯器買ったのですが、できるのに40分もかかるし、結局おかず買いに行くし、洗わないといけないで2回しか炊いてない(黒澤綱亮)

黒澤さんは新卒一年目ですね。果たしてどんなオフィスライフを描いていたのか……。弊社のお昼休みは60分です。

日本刺繍用の枠
春頃に「リモートワークで時間の余裕ができる」みたいな錯覚に陥ったものの、もともとの通勤時間が10分でした。何が増えると思っていたんだろう(加藤めぐみ)

何が増えると思ってたのかも気になるけれど、それよりもまず「日本刺繍用の枠」が何かが気になりますね。伝統工芸作家の方でしょうか。

なわとび
『在宅勤務の運動不足解消になわとびが売り切れ状態!』というニュースを見た直後に百均で見つけて即買いしたけど、そもそも運動習慣が無い自分がなわとびなんてするわけがない!と家に帰ってから気づいた。当然一度も使用しておらず、この募集をみて思い出したぐらいで、いまやどこにあるのか…(浦田清江)

一度も使用していないとはなかなかのツワモノですね。「百均」で「即買い」というのが既に怪しい。要注意フラグです。

ブルーライトメガネ
そもそも裸眼なのですが、メガネをする習慣がなさ過ぎてやめました(丹羽祥太)

こちらも習慣モノですね。モノを買っただけで習慣ができるわけではないんですねえ。

モニラリア(多肉植物)の栽培セット
普通に発芽しませんでした(望月歩)

普通に発芽しなかったら仕方ないですね。誰も悪くありません。

A3のプリンター
年始から2回しか動かしてない。。。(石川康裕)

そういえば我が家にもA3プリンターが眠ってます。A3プリンターはよく眠る。これテストに出るので憶えておきましょう。

おしゃれランチョンマット
買ったものの2回くらいしか使ってないです!!(小橋桃子)

こちらも2回! 逆にみんな2回は使うんですね。

ベランダ菜園に関わる物品全般
「今年こそはベランダ菜園でゴーヤを育てよう」と思い立ち、プランターや支柱、ネットなど買い揃えました。しかし、我が家のベランダは暑すぎるようで、途中まで順調に成長していたゴーヤは徐々に元気がなくなり枯れてしまいました(瀬戸口健)

結構揃えましたね。「今年こそは」という意気込みと裏腹に枯れていくゴーヤが哀愁を誘います。

おにぎりんぐ(ガチャガチャ玩具)
探しまくって、回してイクラと鮭と明太子を手に入れたのですが正気に戻った時につけてくタイミングないな…と思って売りました(中野渡亜美)

ガチャガチャはもはや要らないのわかっててやっちゃいますよね。「正気」に戻る前はなんだったのか気になります。

iPhone 11 Pro Max
でかくて重くて後悔がMaxでSEにすぐ替えた(青山成貴)

開封して持ち上げた瞬間に気づくやつですね。後悔が早い。

光るキーボードとマウス
リモート業務の雰囲気を変えたくて導入するも、光るギミックの奇抜さにすぐ飽きてしまい、一週間せずにお蔵入りでした。HHKBにも興味持ちつつも、こいつの姿を見ると戒めのようになり購買意欲が自然となくなります(後藤鉄平)

最後はお守りみたくなっちゃいましたね。これで無駄な買い物が防げるならむしろ安い買い物でしょうか。みなさんも衝動買いのお守りには光るキーボードを持ちましょう。

ウズラの卵の孵化器
鳥をたまごから返す経験がしたくて有精卵かったのに、全然かえらなくて二十日後にたまごあけたらドロドロになってました(結城アンナ)

つっこみどころが多すぎてよくわかりませんが元気出してください。

消費の喧騒に呑み込まれる前に

 さて、ここからは少し真面目な話をしましょう。

 なわとびから孵化器まで、モニラリアからiPhoneまで、さまざまなモノがあがりました。かくいうわたしも今年瞑想アプリに課金したものの、二回しか起動しなかったという前科持ち。「買わなくてもよかったもの」はそこら中に見つかりますね。今年は定額給付金の支給もあり、財布の紐を緩めた方も多かったのではないかと思います。

 冒頭に書いたように年末にはいつも「今年買ってよかったもの」が取り沙汰されますし、最近は「経済を回す」というお題目がもてはやされ、消費そのものが良い行ないであるかのようにあちこちで薦められています。デフレに肩まで浸かりきった日本経済は特に、不況を脱するために消費や投資を強く推進してきましたし、人々が消費することでお金が社会を駆け巡ることは疑いようがありません。しかしわたしたちは消費を無規定に賛美し推奨していいものでしょうか。

 あげられた「買わなくてもよかったもの」を見ていくと気づくように、その多くは単なる個人の失敗というよりも、消費を過剰に誘発する社会が個人を呑み込んでいった帰結です。そしてその集大成として君臨し続ける大量消費社会は、果たしてわたしたちが望んだものだったでしょうか。

 買い物は娯楽の一つでもありますから、それを常に自制し冷静に行なうのは退屈かもしれません。消費に気を使うことは、誰にだってとても難しく疲れることです。でも、だからこそ歳末セールや新春セールが世間を賑わし、タイムラインまでもがこぞって消費を喚起するこういうときくらい、あらためて消費について立ち止まり、考え直したい。社内で「買ってよかったもの」ではなく「買わなくてもよかったもの」を交わし合ったことは、そんな一つのきっかけとなりました。

 みなさんもよければ #買ってよかったもの だけでなく、 #買わなくてもよかったもの を同僚や友人と共有してみてください。きっとその一言が差し水となり、誰かの「買わなくてもよかった」を防ぐきっかけとなるのですから。

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